低コストと高機能

「炭素めっき」の最大の優位性は、加工コストの低さと機能性です。金めっき、銀メッやニッケルめっきよりも格段に低いコストで同等の機能性を金属に付与することができます。また、特徴のひとつである高耐食性が製品の長寿命化に寄与します。

環境対策

「炭素めっき」の主原料は炭素化合物ですが、炭素は地球上で最も多く存在する元素のひとつであり、さまざまな姿に形を変えて存在しています。発電所や工場の排ガスから回収したCO2を原料として利用する研究も進めており、「炭素めっき」の普及そのものがCO2の資源としての有効利用に大きく貢献します。

電子デバイスのコンパクト化

近年、電子デバイスのコンパクト化が加速しています。それにより、電子パーツの高集積化が進み、パーツ同士の熱が機器の故障を引き起こすリスクが高まっています。熱伝導性の高い「炭素めっき」を施すことでパーツの熱を外部に逃がす効果(=放熱効果)を高め、リスクを低減しつつ、デバイスの性能を高めることができます。

インフラ維持コスト低減

道路、橋梁、トンネル、鉄道などのインフラは、強度の観点から鋼材が使用されていますが、最大の問題はこの構造材の腐食です。腐食を防ぐためにめっきや塗装が行われていますが、その再処理頻度が高いため、維持コストが膨れ上がっています。耐食性に優れる「炭素めっき」を施すことで、そのコストを大幅に削減します。

世界初の革新的技術「炭素めっき」の事業化を推進

大学発ベンチャーであるアイ’エムセップ株式会社の代表取締役社長であり、京都大学名誉教授で同志社大学の教授としても活躍した伊藤靖彦氏は、40年以上かけて「溶融塩技術」(=溶融塩という不思議で魅力的な液体の特性を応用した技術)を研究してきました。
そして、この溶融塩技術により、これまで不可能とされてきた炭素を成膜する「炭素めっき」に成功しました。当社は、この世界初となる技術を事業化するために設立された会社です。

めっきの常識を超える革新的技術「炭素めっき」で、AI、 LoT、5G社会への展望を開く

耐食性や熱伝導性、機械的特性などに優れる炭素(カーボン)は、炭素繊維複合材料として民生品から航空機までさまざまな用途に利用されています。「炭素めっき」は、金属表面に炭素皮膜を形成させることで、炭素繊維複合材料とほぼ同等の特性を付与するとともに、優れた電気伝導性を活かして、高性能エネルギー変換デバイスに利用することを可能にする革新的な技術です。
当社は「炭素めっき」を通じ、川上から川下までさまざまな部材の機能性を高めることで、製品品質の向上とコスト削減、環境負荷低減に貢献的発展し、社会の持続に寄与してまいります。

炭素素材と同等の機能性をもたらす革新的技術「炭素めっき」で製品品質向上とコスト削減に貢献する

電気抵抗が極めて低い、熱伝導性が非常に良い、摺動性(すべりやすさ)に優れる、高い生体適合性がある、など耐食性以外にも優れた機能が同時に付与されるのです。

成長分野である電気自動車(EV)の部品、次世代通信規格「5G」の端末や基地局、体内に挿入するタイプの医療機器などでの需要も見込まれます。

この技術が広く普及することで、エネルギーロスの小さい発送電システムの構築やコンパクトで高機能の電気・電子機器の供給に道を拓くなど、世の中を大きく変える可能性があります。

めっきの常識を覆す革新的技術「炭素めっき」で品質向上に寄与する「理研ワールド」

今日まで腐食を完全に抑えられるめっきは金属めっきを行う限り実現は不可能でした。
これを根本的に転換した技術が炭素めっきなのです。
また電気抵抗が極めて低い、熱伝導性が非常に良い、摺動性(すべりやすさ)に優れる、高い生体適合性がある、など耐食性以外にも優れた機能が同時に付与されるのです。